ステージ進行

日本とアメリカの違い – ステージの進行方法 –

テクニカルスタッフの感性に任せたほうが良い

ステージ進行 において、日本ではまずありえない考え方ではないでしょうか。

しかしアメリカでは、ステージ進行(特にテクニカル周り)はテックスタッフの感性にお任せしてしまう方がよい仕上がりになることも多々あります。

日本では綿密なリハーサルを行い、ステージ進行責任者の元、現場ADさん達が登壇者役で台本スクリプトを読み上げ、一シーンごとのカメラワークや登壇時BGM、その他非常に細かいタイミング合わせを完了させてから本番を迎えるという流れが一般的だと思います。その一つ一つに進行ディレクターの指示が出されます。そしてそれは各シーン別とランスルーの二回に分けて実施されます。

しかし私のアメリカでの経験上、アメリカ人スタッフを中心に進行するステージではそのようなやり方はせず、リハーサルはお互いの認識に間違いがないかの確認に焦点を当てているように感じます。というのも、そこまでにはステージの指揮を執る者が作った進行台本が出来上がっているわけですし、音、映像、スライドその他の素材も大方揃っているわけです。それらはすべて進行台本にタイミングやシーンが落とし込まれているわけですから、実際に台本に書かれた素材がどれを指しているかを確認すればいい、という考えがあるからだと感じております。

テクニカルスタッフの方々も数多ステージを経験してきておりますから、台本を見て、素材を確認すればステージのイメージは掴んでくれます。そこで各人が持ったイメージを一通り台本に沿って流してすり合わせるのがリハーサルの最大の目的になりますから、リハーサルが本番前夜2:00amまで続いて…のようなことはありませんし、出来る限り早く切り上げて本番に備える、という現場のほうが圧倒的に多いです。

「ここはこういうイメージだよね?」「このシーンではライティングをこうしたほうが良いんじゃないか」「そうだね。そうしよう。」

立場に関係なく、互いにステージをよくするため、このようなイメージを共有するやり取りが生まれます。そして、直接その場でイメージをすり合わせることで、リハーサルも早く切り上げることができるのです。

私もアメリカに来たての頃は早く切り上げるのが不安でしたし、本番前夜は夜中までリハーサルを行うものと考えていました。しかし、一緒に働くアメリカ人ステージスタッフと話しをしていくうちに、それらは本来必要なものではなかったと考えるようになりました。

それぞれが仕事を円滑に進めるためにプロとしての意識を持ち発言していると感じるからです。

彼らは私が作る進行台本をよく読み込み、自分の中でイメージを描いてくれます。そしてそれをリハーサルで表現してくれ、現場責任者である私に確認を取ってくれるのです。中には毎年アカデミー賞を担当している方や大統領スピーチのテクニカル運営経験などの優れたキャリアを持つスタッフもいました。それでも驕ることなく、事前準備と自分の役割の理解、そしてスタッフ全員でステージを作り上げる意識を持ち、すべてが円滑に進むよう意見交換をしてくれる。ディレクターにとってこれほど心強いことはありません。

リハーサルを前日夜中まで行うことで、一番大事な本番日を寝不足で迎えて集中力が下がったら元も子もありませんし、前日にそこまで詰め込まないようにするために準備期間を何週間、何か月ととってあるわけですから、私は今では彼らのやり方のほうが理にかなっていると考えています。

しかし日本から来られるお客様視点から見れば、前日にも関わらず早々に解散する光景が不安に映ることも深く理解しております。

ですから双方の現場を体験している私にとって、日米双方の視点で現場を運営することが何よりも求められていることだと考えております。

 

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